このような疑問にお答えします。
- 筆者は民間企業、地方公務員(電気職)でそれぞれ勤務経験あり
- 地方公務員時代は上下水道、都市計画に従事
- 電気職公務員の仕事内容
- 電気職公務員になるための方法
- 電気職公務員に求められている能力・資格
地方公務員の仕事内容
地方公務員は「現場」を持っています。
庁舎、学校、総合体育館、上下水道のプラント、道路、港湾、公共交通機関などです。
一方で、国家公務員は地方公務員ほど現場を持っておらず、計画策定などの「机上」での仕事がメインです。
一言で技術系公務員といっても、国家と地方では仕事の内容が根本的に違いますので、まずこの点に注意しましょう!
地方公務員の電気職とは
本記事では、技術系公務員の中でも「電気職」の仕事について解説します。
技術系公務員全般について知りたい方は『技術系公務員の仕事内容とは【わかりやすく解説します】』にまとめています。
電気職の仕事内容
公営企業(上下水道、交通など)の仕事内容
電気職の仕事は大きく分けて2種類あります。
一つ目がこれから解説する「公営企業」の仕事です。
公営企業とは、いわゆる社会インフラのことで、主に上下水道や公共交通が該当します。
イメージとしては、電気職が10名いたら8人が公営企業で勤務、残りの2人がそのほかで勤務します。
そのため、電気職で働く上で、公営企業での業務を知らないと入ってからイメージとのギャップに苦しむことになります。
公営企業の場合、上下水道にしろ、交通にしろ、多くの現場を持っています。
たとえば上下水道の場合、下水処理場、浄水場、給水所などです。
また交通の場合、駅舎、車両修理場、変電所などです。
一部本庁舎で事務職などと中長期の整備計画の策定や各種調整業務に従事する人もいますが、基本は現場仕事です。
具体的に、上下水道の業務について解説します。
- 各プラントの監視業務(24時間365日の交代勤務)
- 各プラントの維持管理業務(日常巡視、月例点検、法定点検など)
- ポンプ設備などの設計・施工
- 制御系システムの設計・施工
- 設備の更新計画の策定、進捗管理
上下水道はどの地自体も保有しているため、電気職で入った場合、一番配属される可能性が高い部署かもしれません。
そのほかの公営企業も同じですが、交代勤務がある職場も多いです。
そのため8時30分から17時15分までの勤務とはいかず、泊まり込みで仕事をしなくてはならないケースも出てきます。
ただし、小さいことどもがいる、親の介護が必要など家庭事情を考慮してもらえると思いますので、そこまで不安にならなくても大丈夫です。
また、公営企業は大型の設備が多いため、設計金額も高くなります。
大型の設備だと設計も、施工も大変になりますので部署によっては残業が多いところもあります。
残業がしたくない人は維持管理など設計・施工とは違う担当を希望すると良いでしょう。
公営企業以外の仕事内容
公営企業以外に配属される場合もあります。
たとえば、建設(主に道路)、港湾、総務などです。
市役所などでは建設部、県庁などでは建設局が道路整備を行なっています。
メインは土木職ですが、道路の街灯や電柱など一部電気職も働いています。
港湾も同様です。土木職がメインの職場に電気職も働いています。
総務は主に、本庁舎など自治体が所有する建物の電気設備を維持管理しています。
仕事の内容は民間企業のビルメンテナンスに近いです。
点検を行い、不具合や故障があれば直営で直すが、設計して委託を出します。
公営企業ほど業務量がないため、電気職の人数も少ないですが、他業種から転職してきた人にとっては見慣れた業務が多く、働きやすいかもしれません。
電気職に就職するために
経験の有無
新卒で試験を受ける場合は民間企業と同様に、学生時代の取り組みや人柄で評価されます。
しかし、民間企業からの転職の場合、今までの経験が最大の評価ポイントです。
他の自治体から転職する人もいますが、民間企業から転職してくる人もたくさんいます。
たいていはメーカーや工場で電気設備の設計や維持管理をやってきた人が多いですが、営業職から転職してくる人もいます。
面接官が納得しやすい志望理由と、入ってから活躍できる根拠が示せれば問題ありません。
正直公務員の技術職には全然仕事をしない人も少なくないため、民間企業出身でやる気がある人は経験が少なくても評価されるはずです。
ただし、「楽したいから公務員になりたい」という理由の場合は面接官に見透かされますので、志望理由くらいはしっかりと用意しましょう。
資格があると有利
経験も大事ですが、一目で相手を納得させられるのが「資格」です。
私も民間企業から公務員に転職した際、当時は電験3種しか持っていませんでしたが、面接では「電験持ってるのはすごいね!」と褒めてもらえました。
電気の世界では、なんと言っても電験はすごい知名度があります。
実際、昇任試験のときも電験を持っていると電気の専門試験が免除になる自治体もあります。
また電験を持っていると電気主任技術者になることができ、人事評価も上がりやすいです。
電気工事士も人気ですが、少しでも合格の可能性を上げたい方はぜひ電験3種を取りましょう。
電験3種の取得方法や勉強法は『電験3種は就職・転職に有利?【難易度や勉強法・問題集・参考書を解説】』で詳しく解説しています。
まとめ:建物があるところに電気職あり
今回は地方公務員の電気職の仕事について解説しました。
これまでの内容をまとめると下記の通りです。
- 電気職には「公営企業とそのほか」の2種類の仕事がある
- どこも仕事内容は設備の設計・施工、維持管理が中心
- 公営企業には交代勤務があり、24時間365日誰かしら働いている
- 公営企業以外は民間企業のビルメンテナンスに近い
- 公務員になりたいなら経験または資格(電験)があると有利
地方公務員の電気職は、現場での仕事も多いですが、福利厚生がちゃんとしているため、休暇も取りやすいです。
民間企業よりもワークライフバランスが取りやすいのは、公務員の魅力です。
これから就職する学生はもちろん、民間企業から転職したいと思っている方もぜひ参考にしてみてください。